インターネットを介した通信は、WEB サービス、モバイルアプリケーション、IoT 等、様々な分野で利用されています。ネットワークアプリケーションの多くは Internet Protocol(IP)と呼ばれる仕組みによって実現されています。IP による通信は、データを相手端末に送り届けるための最も基本的な方式であり、現代のインターネットそのものを成り立たせています。本来、IP 通信はエンドツーエンドの接続性、すなわち送信側と受信側が直接データをやり取りできることを前提に設計されています。しかし、実際のインターネット環境では IP 通信を妨げる様々な障壁が存在するため、単に IP アドレスを指定すれば相手と接続できるというわけではありません。特に IP によるエンドツーエンド通信の大きな障壁となっているのが、NAT/NAPT やファイアウォールの存在です。これらは、ネットワーク内のセキュリティ確保や IP アドレスの節約 といった目的で広く導入されています。一方で、NAT/NAPT は、配下の端末を外部から隠蔽する特性があり、「どのように相手と接続するか」という接続性の問題を引き起こします。今回のブログでは、IP 通信の発展と課題、それらの課題を解決するために登場した代表的な通信接続性を実現する技術について紹介したいと思います。
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